「愛知県の入札に参加したい!?」
会社の設立後数年を経た建設会社の社長から「愛知県の工事を受注したい」との相談を受けることがあります。
また、飲食店の経営者から、新型コロナ感染症にり患した者が自宅療養をすることに伴い自治体が食事を提供する場合、その受け皿として利用してもらいたいとの相談を受ける機会がありました。
両相談を換言すると「入札をして売上アップを図りたい」ということができます。
しかし、後者の経営者のケースでは、「その案件は入札ですね」と説明しますと、「そんな大袈裟なものではないし、建設工事等の案件ではありません」と言われる始末です。
未だに建設に特化した案件が入札なのでは?と、思われる方が実際のところ多いのではないでしょうか。
実は、決してそんなことはありません。例えば、鉛筆、ファイル等の事務用品や、コピー機、PC等の事務機器、スクールバス運行業務、一般廃棄物の運搬業務等々も入札により各自治体が発注者となっており、枚挙に暇がありません。
事業者として一つのビジネスチャンスと捉えることは当然と言えるでしょう。
最も、発注者の財源は私たち納税者であるわけですから、安価に安定的に責任感をもって発注は行われなければなりません。
安価にとは、正に事業者の思惑とは真逆ですから、そこは難しいところでもあるでしょう。
そうとは言え、何かと前例主義が多い自治体ですから、一度落札をしたことがきっかけとなり、それを原動力として「信用力」を養うことにもなります。
従いまして、入札に参加し落札することは、場合によっては大幅な売上増、利益増につながり難い構造ではありますが、信用力に関しては大きな効果が望めるということになります。
「入札への入口の入口」
愛知県をはじめとして県下の各地方公共団体(名古屋市を除く)では、令和4年度、5年度の入札参加資格申請に関する定時受付が行われ、現時点(令和4年2月16日)で終了しました。
対象となる市町村は、愛知県下54市町村の内、52市町村で、その他外郭団体とされる、名古屋港管理組合等の6団体も含まれます。
尚、定時受付に間に合わなかった場合は随時受付として令和4年4月1日から開始となります。
この「入札参加資格申請」は一昔前とは異なり、「電子調達共同システム」という、インターネットを利用し申請を行うことができますので、申請者(事業者)の負担も相当軽減されていることでしょう。
また、入札案件もネットから情報収集が可能ですから、スピーディな対応を行うことで、希望案件をリサーチすることが安易になっているということができます。
「入札参加資格とその申請」
ところで、入札参加資格とは一体何でしょうか、またこの資格がないと入札出来ないのでしょうか?
答えはYesです。国や自治体、外郭団体等が建設工事や物品等を発注する際、数多ある事業者の中から、誰彼構わずに選ぶことはできません。
これは、前述の通り、財源が理由となることからも明らかです。
そこで、入札を希望する事業者を審査し、一定の資格を与える、つまり「入札参加資格」を事業者へ与えています。
その資格を審査するための申請が「入札参加資格申請」というものです。この資格を得て、初めて入札に参加ができます。
【参考】
あいち電子調達共同システム(物品等)
https://www.buppin.e-aichi.jp/public/pubTop.do?methodName=initDisplayForPub
あいち電子調達共同システム(CALS/EC)
https://www.chotatsu.e-aichi.jp/portal/index.jsp