コロナ感染がまた拡大し、サル痘の影響も懸念される中、やはりもうコロナ以前の世の中に戻るのは難しいのかなと、ふと考えることが多くなった。
好きだった海外旅行も、今となっては特別なイベントになりつつあり、好きなだけ旅をしておいて良かったと思っている。
研修で全国を移動することが、今では私にとっては旅気分で、車窓から日本の風景をよく見るようになった。
あたりまえの毎日は、いつあたりまえでなくなるのか、この状況を見ていると、今日1日のこの瞬間さえも後悔しない選択をしたいと思う。
「チームラボ」というデジタルアートを制作している会社がある。
プログラマー、エンジニア、建築家、数学者、ウエブデザイナーなど、さまざまなデジタル分野の専門家がチームとなり、現在では、世界中で常設展示され、東京お台場では、チームラボボーダレスがこの8月末まで開催されている。
アートというと、その作品には、作者の個人名がつくのが普通だが、チームラボの作品は、すべて個人名ではなく「チームラボ」で出展されている。
その価値観がこの会社の強みでもある。
この会社は東京大学と東京工業大学の大学院生ら5名によって設立され、代表取締役の猪子寿之氏は、時々テレビでのインタビューを受けることもある。
実は、昔、元旦のNHKの若者の討論番組を毎年見ていて、その番組に、まだ無名だった彼はよく出演をしていた。
その頃から、彼は、はっきりと「チーム」で仕事することが楽しいとよく言っていた。
そして、「そんなことをしても成功しないよ」と年上の人に言われるたびに「うるさいなぁ」って思うとも。
最近、彼が出演した番組で、昔と変わらず、「チームの大切さ」「意味のある仕事をすることの大切さ」「垣根を越えていくことの大切さ」を伝えていた。
チームラボの成しえたデジタルアートを見ていると、「自由」を感じる。
そして「可能性」を感じる。
変容できる可能性を。今までの既成概念を飛び越えて、「価値」を「創造」していく若い経営者が、これから日本でも多く輩出されるのではないかと「希望」を見出すことができる。
組織が変容することは、時に大きな決断を迫られ、今まで大切にしていた「価値観」や「商品」を手放すことにも繋がるかもしれない。
それでも、10人に10人が「いいね」というサービスや商品をつくるよりも、10人に1人が圧倒的に「好きだ」と言われるサービスや商品をつくる創造が、この時代には必要ではないかと思う。
そんなサービスや商品をつくるには、やはり1人ではできないし、色々な才能をもったチームが必要となる。
また今の自分の仕事を好きになる力がなければ、垣根を飛び越えていくことは難しい。
「その企画は成功するのか?」「うまくいくのか?」残念ながら、成功するか、うまくいくか、トライしてみなければ答えはでない。
誰も答えはわからないのが本当のところだ。
あたり前を超えていかなければ、成長していくことは難しい。
そして、自分を納得させることも難しい。
行っておいて良かった、やっておいて良かった、立ち止まるのではなく、トライ&エラー。
後悔しない「選択」を組織も人も、この時代だからこそ、挑戦してみてはどうだろう。
10年後の未来から見てみたら、きっと、そんな自分を微笑ましく思い出せるのではないだろうか。