新型コロナが今年5月に「季節性インフルエンザ」などと同じ5類へ移行されます。
マスクは基本的に日常生活で、不要となるでしょう。
マスク義務が始まってからおおよそ3年。
私たちは、同じ組織内においてもマスク姿の印象で、その人を捉えてきました。
先日もある会食会でこんな会話があったのです。
お互い仕事で知り合ってから2年。
しかし、その間、マスク姿でしか会話したことはなく、その会食で初めてマスクをとった姿をお互い見たと。
「〇〇さんって、マスクをとると印象違いますね」
「いえいえ、私も〇〇さんの印象変わりました」
コロナの影響で、当然、会食することもなかったそうで、2年たって、お互い初めて相手の顔を認識できたそうです。
私は、講義の際、口元が見える透明のプラスチックマスクをいつも使わせていただいていました。
どうしてかというと、コミュニケーションをとるときに言葉ではない言葉(非言語という)の影響力が強いからです。
メラビアンの法則とは、人がコミュニケーションにおいて、言語情報が7%、視覚情報が55%、聴覚情報が38%のウエイトで影響を与えているという心理学上の法則の1つです。
1971年にアルバート・メラビアンという心理学者が提唱しました。「非言語」とはおもに、視覚情報や聴覚情報ですが、もし、マスクをしながら講義をすると、口元の表情を使って、相手に影響を与えることが難しくなります。例えば、「笑顔」。
「笑顔」で話すのと、「無表情」で話すのでは、相手に伝わる言葉の印象も、そして共感度も変わってきます。
この3年間、私たちは、マスクをすることで、顔の表情を相手に見せることもなく、そしてマスク越しの籠った声でしか話すことができませんでした。
人間の脳は、非言語を通じてその人の印象を決めていきます。
そしてその人を認識できることができるのです。
現在の1年生、2年生、3年生がいかにマスクによって大切なコミュニケーションが奪われてきたことがこのことからもおわかりになるのではないでしょうか。
なかなか顔を覚えてもらえない、印象に残らない、まだまだ知識不足や、経験不足の若手の方々が、言葉のだけでなく非言語においてもとても苦しみながら過ごしていたことを私は講義を通じで何度も感じました。
マスクをとることができて、職場内でも食事会が開催されるようになれば、コミュニケーションは今よりも格段に取りやすくなるはずです。
その際に、是非、言葉だけではなく非言語の大切さを思いだしていただければと思います。
コロナ前よりも、さらに「笑顔」で「気持ちのこもった伝え方」で、そして目をしっかり合わせて、相手の表情もしっかり観察しながら、相手に好奇心のアンテナをたて、お互いを理解しあえる、そんなコミュニケーションが日本中のどの職場でも増えていくといいなと思います。
先日、あるニュースで、この春に社会人となる学生のおおよそ半数が、上司との「プライベートでの交流」を望んでいると伝えていました。
理由は、「距離が縮まり仕事が円滑になる」「業務中に聞けない仕事のヒントやアイデアを聞ける」とのことです。
交流の機会については、「仕事終わりの飲み会」と「ランチ」などがあげられています。
対面で繋がれる幸せを是非、職場でも体感させてあげていただければと思います。