私の周りには「士業」が大勢います。
一番多いのが私と同じ中小企業診断士です。
その次は税理士、社労士、行政書士などと続きます。それぞれ独特のスキルを持って企業支援の活動をしています。
一方で士業ではありませんが、デザイナー、ライター、SE、マーケター、インフルエンサー、調査員、分析官、投資家、人脈家など企業支援に役立つスキルを持った「能力者」もコンサルタントに含まれます。
最近「〇〇について相談に乗ってほしい」と言われる場面によく出合います。
その場合のほとんどが専門知識を必要とする相談です。言い換えれば専門家を紹介してほしいという内容ですので、最適な相談相手を探しますが、ニーズにマッチしたコンサルタントを探すのは簡単ではありません。
そもそも誰がどんなスキルを持っているのか明確でないためです。
ここで一般にコンサルタントに必要とされる「スキル」について見ていきます。
①ロジカルシンキング。自らの考えを論理的に整理して、筋道だった説明を行う能力。
②仮説検証型問題解決スキル。問題に対して試行錯誤を繰り返して問題を解決に導く能力。
③企業分析スキル。「誰に何をどのように提供しているのか」「競合より優れている点はどこか」といった、顧客企業の「戦場」と「武器」を明らかにする能力。
④データ分析スキル。膨大なデータから見える形で「役立つ知見」として提供する能力。
⑤プレゼンテーションスキル。結論をクライアントが納得できるように説明する能力。
⑥アカウンティングスキル。企業の財務会計スキル。
⑦ネゴシエーションスキル。高い交渉力で取引を有利に進める能力。
⑧ファシリテーションスキル。ミーティングやディスカッションを円滑に進める能力。
⑨ファイナンススキル。業績数値などを見ながらアドバイスを行う能力。
⑩インタビューリサーチスキル。さまざまな部署や関係者にヒアリングを行う能力。
⑪ドキュメンテーション。重要なポイントや論点をわかりやすく文書で示す能力。
いかがでしょうか?ここまで揃った方は理想の企業顧問人材ですね。
そんなに多くは見えません。では現実はどうでしょうか。
私の経験から企業経営者が求めるのは顧問人材よりも「目の前の問題を解決してくれる相談しやすいヒト!」の方が多いように思われます。
中小企業経営者が求める専門家像を理解するため、コンサルタントについてあらためて定義してみます。
「コンサルタントとはある特定の事柄・分野について助言をおこなう専門家」とします。
つまり特に資格は必要ありませんが、助言しなければコンサルタントとは言えません。
一方素晴らしい能力があるものの助言はせず成果物を提供して対価を得る方を「専門業者」と定義します。
デザイナーやライター、SEなどに多い人材像です。
もう一つ経験・人脈・能力があり個人的関係から助言してくれる方を「友人」と呼びます。大手企業のOBや経営者に多い人材です。
どうでしょう?現実的に「コンサルタント」「専門業者」「友人」の中で誰が経営支援に最も役立つのでしょうか。
全員必要だという声も聞こえますが、それでは時間が足りません。
私の理想論ですが経営者にお勧めしたいのは「多くの専門業者と友人を持つコンサルタント」となります。
それも簡単ではありませんが私のできる事と言えば多くの専門家や起業家とお会いするというアナログで地道な手段を続けながら、理想のコンサル人材を探し続けます。
ITマッチングの時代が来るまでは。