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真のダイバーシティを考える投稿日 | 2024.5.10

 

日本でダイバーシティの概念が認識され始めたのは1980年代。

1985年に「男女雇用機会均等法」が定められました。

あれから40年あまり、時間は過ぎつつありますが、未だに女性をどう活かすかという議論は続いています。

そして日本ではダイバーシティ=多様性と捉えていますが、年齢、性別、国籍、価値観、宗教等が異なる人々が共存している状態はどれだけ進んでいるのでしょうか。

 

私も20年間あまり、「女性活躍推進」という言葉とともに、多くの研修や講義を全国で行い続けています。

それでもまだ、女性のマインドセットとともに、男性管理職の方々や役員様向けのマインドセットを伝えつづけている状態です。

 

日本企業のダイバーシティは、表層的な属性の取り組みが多く、見た目で判断しやすい目標や数値に偏ってきたように見えます。

本来は、もっと深層的な取り組みをすることで表層的な結果がでてくるといいたようなプロセスが重要だと思います。

深層的な属性とは、価値観やスキル、知識、ライフスタイルなど目に見えにくい内面的な要素です。

 

女性管理職を全体の3割にと目標を掲げても、まずは女性自身が管理職にあまり良いイメージを持っていないことを含め、管理職にステップアップするための知識やスキルの強化も同時に行わない限り、女性はなかなか一歩を踏み出せません。

男性が考えるダイバーシティと、女性が考えるダイバーシティは深層的な要素の部分でかなりズレがあるのです。

 

日本では1995年をピークに15歳以上65歳未満の労働人口の減少が続いており、もはや女性の活用なくして組織は成り立ちません。

女性と同様に、若手の育成、シニア層の活用も同レベル課題として取り組む必要があります。

まさに、これからは、お客様の確保以前に人財確保できなければ企業は持続できないですし、人財を活かせなければやはり企業は持続できません。

そのために、多様性を認めて活躍できる職場環境をつくり生産性の高い組織に変容する必要があります。

 

40年たっても、「マインドセット」研修が必要だということは、ダイバーシティにおける価値観が変わっているようで変わっていない現状を映し出しているようにしか見えません。

もう時間的猶予がない現在、「絵に描いた餅」ではない、真のダイバーシティを推進する必要があるのではないでしょうか。

そのためには、人事部さんだけで考えるのではなく、組織全体の課題として、そして経営戦略へ取り組みとして、かなりスピードをあげてどのような企業を目指すのか、明確なビジョンと体系化した教育のしくみを構築し、実現に向けて具体的な施策をトライし続けることが大切です。

 

グローバル企業では、もはや「女性活躍」という言葉は、随分前に卒業して、優秀な人財をどう確保するか戦略的に動いています。

日本の企業の多くは、まだまだ優秀な女性や若手やシニアを活かしきれていません。

そしてこれからの採用でも、優秀な女性の確保は企業の価値向上を担うことになるでしょう。

真のダイバーシティを進めていきましょう。

 

企業アドバイザー 宮道京子(筆者のプロフィールはコチラ)

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