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BCPの策定・運用で強靭な企業となる投稿日 | 2025.2.10

 

 

御社は、BCP(事業継続計画)を策定して運用していらっしゃいますか?

 

BCPとは、災害等の不測事態発生時において、損害を最小限にとどめつつ、中核事業の早期復旧を可能として事業を継続させる計画です。

 

【ご参考URL】

中小企業庁Webサイトの「中小企業BCP策定運用指針」

https://www.chusho.meti.go.jp/bcp/contents/level_c/bcpgl_01_1.html

 

そもそも企業には社会的責任(CSR:corporate social responsibility)があります。

① 企業は、企業を取り巻く社員、お客様、協力企業、消費者、株主、地域社会、自治体や行政など多様な利害関係者(ステークホルダー)からの期待やニーズに応えるために、事業活動を継続していくことが求められます。

② 企業は、社会に対して責任を果たし、社会と共に発展していく存在であることを理解します。

事業を継続することで社会的責任を果たすことになります。

関係者の安心・安全・信用を守ることが事業の継続につながります。

 

一方で、「BCPに対して積極的に投資できていない」という経営者の声をうかがうことが少なくないです。

生産性を向上させる設備、新規事業に必要な新たな設備への投資に対しては、投資対効果が見込め、投資判断しやすいです。

しかし、BCPについては、どこまでお金をかければ良いのか判断しにくいことが原因です。

 

BCPの先進事例をご紹介します。

(静岡県中部地域局地域課 BCP事例集より引用)

 

株式会社焼津冷凍様で、静岡県焼津市に本社がある運輸業で、従業員数90名の企業です。

成功要因として以下の5つが挙げられています。

 

① BCPを経営戦略の視点で捉えて、経営トップの方針を反映している。

⇒農業関連事業へ進出し、多角化を図っている。

 

② 社員全員の参加型でBCPに取り組んでいる。

⇒4つの委員会のいずれかに全社員が属し、その活動により経営戦略、事業戦略を具体的に推進し、新規事業への参入等の成果も生んでいる。

 

③ 運用の進捗管理を徹底している。

⇒ガントチャート表を会議室に張り出し、訓練や対策等で今やるべきこと等を一目瞭然に分かる形にし、進捗チェックは社長自ら関与している。

 

④ 地域貢献・社会貢献に取り組んでいる。

⇒地元自治体、他県の同業者および設備メーカーともそれぞれ災害協定を締結しており、地域、社会等のステークホルダーを巻き込んでいる。

 

⑤ 情報連絡手段の多様化を図っている。

⇒安否確認システム、社内SNS、IP無線機など情報連絡手段を多様に確保している。

 

BCPを経営戦略の視点で捉えて策定し、それを全社員で運用することを実現されています。

また、同社にはBCPに関する取材が多く、様々な媒体で紹介されるため、同社の知名度が向上しています。そのため、採用面接試験では、志望動機で同社が取り組むBCPを挙げる学生も出てきているとのことです。

 

BCPを単なる大地震対策にとどめるのではなく、事業継続がわが社の社会的責任であるという認識のもと、経営戦略からBCPを策定することが望まれます。

 

中小企業診断士 高橋康友(筆者のプロフィールはコチラ)

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