


前回に続き、BCP(事業継続計画)策定のポイントをお伝えいたします。
今回は、初動対応の続きです。
今回は、「(5)個人による安全確保」から「(8)帰宅・残留対応」までを具体的に確認していきます。
(5)個人による安全確保
災害発生時の行動手順を決めておきます。
地震発生時だけでなく、火災発生時についても明確に決めておきます。
以下に一例を示します。
【必ず実施すること】
①地震発生時
・危険な場所から離れる:窓やキャビネットのように、ガラスが割れたり収容物が飛び出してきそうな場所から離れる。
・落下物から頭を守る:机の下にもぐるか、バッグや衣類等で頭を覆う。
・火の始末:火気を使用しているときは火を消す。
②火災発生時
・早く知らせる:大きな声で叫んで周囲に知らせる。声が出ない場合は非常ベル鳴らすか、音の出るものをたたいて異常を知らせる。
・早く消す:火がまだ横に広がっているうちは消化が可能。消火器や水だけでなく、毛布等手近なものを利用する。
・早く逃げる:天井まで火が燃え広がったら消化は困難である。無理せずに逃げる。
(6)情報収集
従業員の安否情報とあわせて、当面の危機対応を実施するにあたって必要となる情報を収集できるように、必要な情報項目および収集方法を決めておきます。
以下に一例を示します。
①地震の概要
・地震の概要や、鉄道、道路、ライフライン(電気、水、ガス、通信)の被災状況も把握します。
②行政支援およびその他の有益情報
・公設避難場所は基本的に住民のためのものであり、物資支給も住民のためのものであることに留意してください。
・営業中のコンビニエンスストア、スーパー、ドラッグストア、ガソリンスタンド、稼働中のATM等の情報も有益です。
③自社の被害状況
・建物躯体、建物内部、主要設備、情報システムの被害状況を把握します。
(7)負傷者の救助対応
負傷者の救助は迅速に行う必要がありますので、救助所の設置場所、必要な配備(AED、応急救急セット、毛布、シーネ等)、医療機関への搬送方法を決めておきます。
ただし、地震発生直後は、病院は重傷度合いから優先順位をつけて処置をしていきますので、骨折程度では後回しにされる可能性が高いです。そのため、自社で応急措置をできるようにしておくことが必要です。
(8)帰宅・残留対応
①帰宅ルール
工場・事務所内における人命確保の対応が落ち着いた時点で、効率よく事業再開活動を遂行するために、原則として、災害対策本部に関係のない従業員は早急に帰宅することが望ましいです。
ただし、最終的な帰宅の判断は従業員が自己責任で行います。
②残留者への対応ルール
工場・事務所に留まって業務を遂行する者や、帰宅困難者といった残留者に対し、宿泊場所や食料等を提供することも必要となります。
宿泊場所の特定、備品の準備・提供、トイレの利用について決めておきます。
以上が、初動対応の「(5)個人による安全確保」から「(8)帰宅・残留対応」において検討していただきたい内容です。