


金融機関は職員に中小企業診断士の資格取得を推奨しているという話は以前からありますが先日、地元信用金庫の支店長からも同様の話を聞きました。
ではなぜ金融機関で診断士資格が必要なのか?もしくは診断ノウハウを身に付けたいのか?
今回も私の個人的体験を交えて考察していきます。
そもそも金融機関の求める中小企業診断士のスキルとは、何の事でしょうか?
国家資格としての説明によると、中小企業の経営課題を分析し、改善策を提案・支援する専門家という位置づけだそうです。
この資格を持つ人に求められる能力(スキル)は具体的には次のように考えられます。
① 経営分析能力・・・・企業の状況を数字や情報から分析する力。
財務分析(利益・資金繰りなど)、市場・競争分析、SWOT分析などのフレーム活用。
つまり会社の「問題の本質」を見つける能力!
② 経営戦略立案能力・・・・企業の将来の方向性を考える力。
成長戦略の立案、新規事業の企画、マーケティング戦略。
つまり「どうすれば会社が成長するか」を設計する能力!
③ 経営改善支援能力・・・・分析だけでなく、実際の改善をサポートする能力。
業務改善(効率化)、生産性向上、組織改革。
つまり会社の経営を実際に良くする実行力!
④ コミュニケーション能力・・・・経営者や社員と信頼関係を作る力。
経営者へのヒアリング、分かりやすい提案、社員への説明。
つまり支援者として「人を動かす」能力!
⑤ 幅広い経営知識・・・・中小企業診断士は経営全体を理解する必要があります。
経営戦略、マーケティング、財務・会計、生産管理、人事組織、ITなどの経営知識!
一言でいうと中小企業診断士の能力は「企業の問題を見つけて、解決策を作り、実行まで支援する総合経営力」というスーパーマンみたいな人間らしいです。
本当でしょうか?こんな能力ならば金融機関だけでなく誰もが必要ですよね。
話を戻して中小企業診断士の能力やノウハウを銀行業務として身に付けるメリットについて整理します。
① 企業を見る力が大きく向上する
銀行員は融資判断で企業分析をしますが、診断士の知識があると分析の深さが変わります。
財務分析から 経営全体分析へ。数字中心から 戦略・組織・マーケティングまで理解できます。
果として融資判断の質が上がる訳ですね。
② 取引先への提案力が上がる
銀行には「資金提供」だけでなく「経営支援」も求められています。
診断士スキルがあると事業計画の作成支援、経営改善提案、補助金活用アドバイスができるようになります。
しかし、診断士資格を取るためには1000時間の勉強が必要とされており、実際には仕事が忙しく勉強する時間はとりづらいのが現実です。
そこで診断士資格は取得せずともノウハウだけ身に付けるプランが無いか調べてみました。
すると以外にも銀行員の中には「試験合格ではなく知識習得」を目的に学ぶ人も多いことが判明しました。
その方法としては一次試験の科目だけ勉強するのが最も王道らしいです。
主な科目は経営理論、財務・会計、企業経営理論(マーケティング・組織)、運営管理(生産管理・店舗管理)、経営情報システム、中小企業政策です。
この一次試験レベルまで勉強すれば、かなり実務で使える知識になります。
その他 MBAの入門書を読むことも良いですね。
本での学習が苦手な方にはyoutubeやオンライン講座で知識だけ学ぶ方法もありました。
さて実際の信用金庫の支店長から聞いた話に戻しましょう。
銀行員が診断士の勉強をすると「経営者との会話レベルが上がる」そうです。
信用金庫では地元企業の活性化のためと言いつつも、現場では「融資ミッション」を背負った戦いが続いています。
融資に至るプロセスの入り口として重要なのは「経営者との会話」です。
融資場面では企業の課題を見つけられるかが重要です。
例えば売上減少の原因分析、コスト構造分析、売上予測の妥当性、投資回収などの会話を通じて信頼を勝ち取り融資提案へと進みます。
ここで一番大事な診断士スキルとしては課題発見力です。
つまり企業の問題を見つける、原因を分析する、改善策を考える、
この思考です。
経営者と「経営の話」ができるようになるから、その結果として営業成績が上がるケースが多いという訳です。
そろそろ今回の考察の結論に入ります。
金融機関の融資担当を強化するひとつの方法として「金融機関向け診断士ノウハウの現場伝授」という役割が潜在ニーズとして考えられます。
これは自分で勉強するのは大変な金融マンに向けた仕組みであり、金融機関の予算と就業時間内でノウハウを得る方法です。
この流れは中小企業診断士としてもノウハウ伝授の新ビジネスモデルとなりそうですね。
この先も中小企業にとって変革の時代が続きます。
その荒波を乗り越え、時代に合った金融モデルを構築するため、私たちの持つ診断ノウハウが金融機関を通じて多くの中小企業の支えになることを強く願っております。