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「哲学」の本を読み始めたのは、高校時代からだったと記憶しています。

その当時、「生きることとは何か」という漠然とした不安があり、たぶん思春期の真っただ中で、自分を支える「答え」が欲しくて手にとったのだと思います。

「答え」は簡単に見つかるはずもなかったと今ならわかるのですが。

その当時、時代はますます好景気に沸き、未来に不安を抱く時代ではなかったので、高校時代の友人は、私のそんな姿を不思議そうに眺めていて、今でも時々、「難しそうな本を読んで、難しい顔をしていたよね」と言われることがあります。

しかし、その当時の私には必要な時間でした。深く考えるということスタートしたという意味で。

 

「哲学」とは、世界や人生の根本原理について、疑問を立てて深く探求する学問です。

古代ギリシャ語の「知を愛する」という意味の「フィロソフィア」が語源で、知識を詰め込むだけでなく、物事の本質を問い、考え方の過程を重視します。

哲学には認識論、倫理学、論理学などの分野がありますが、日常生活においての「哲学」は、日々生活している中で感じる疑問や問題に、自分なりの「問い」を立てて考えを深めていくことでもあります。「働く意味は何か」「勉強する意味は何か」など身近な疑問も哲学の入り口へと繋がっていきます。

 

いつの時代も、不安定で不確実で答えのない時代を生きていたはずですが、私たち日本人は戦後、「答え」がある時代だと錯覚して生きてきたような気がします。

「答え」は正しく1つだけ。試験問題の答案用紙に答えを1つだけ書く習慣があまりにも長く続いたため、そのバイアスから外れることに不安があるのではないでしょうか。

 

「答え」は時にはいくつもあるし、正しい「答え」だと思っていたことは、すぐに陳腐化されてしまいます。

そうなると、自分を支える「問い方と考え方」を練習しなければなりません。ものごとを疑って検討する批判思考、前提を整理して筋道を立てて話す論理的思考、感情に流されずに判断するバランス思考など、これから仕事をする上での大切な思考が、「哲学」で鍛えられます。

 

また、哲学の多くは、「よく生きるとは何か」「幸せとは何か」といったテーマを扱っています。

何を大切生きたいのか、どんな働き方や人間関係を望むのか、譲れない価値観と、変えてもいい部分は何かという人生の選択で迷ったときの判断力も、「哲学」で鍛えられます。

 

そして、「なぜこの人はこう考えるのだろう」、意見の対立を「敵」ではなく「違い」と受け止められるようになるため、他人への理解も深まります。

世界が、「戦争」という危うい状態を引き寄せている時代だからこそ、利己的な考えから脱却し、視野を拡げて人を理解するという「対話」へと繋げる力をより私たちは鍛える必要があるのではないでしょうか。

まさに「哲学の時代」です。

企業アドバイザー 宮道京子(筆者のプロフィールはコチラ)

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