「SDGsファクトリー構想」に向けた 事業計画づくり支援
フィリピン、タイ、カンボジアを中心に子供たちの生活向上や教育支援を行うNPO法人ロータスチルドレン(東京都)は、これまで日本企業の支援を受けてフィリピンやカンボジアで子供たちに生活物資の配布を行ってきた。現在では物資配布だけではなく「働いて稼ぐ」支援へと事業内容を拡大し、彼らに「就業の場の提供」という大きな目標に挑戦している。 そこでSDGs活動を模索している日本国内製造業とカンボジア現地労働の場となる生産工場とのマッチングを実現させるための事業計画つくりが求められた。
NPO内にプロジェクトチームAPROS(エーブロス)を結成し「SDGsファクトリー」構想についての実動組織を結成した。チームメンバーにはカンボジアで活躍する工場関係者やデザイナー、通訳など業種やジャンル、国籍を超えた構成員が選ばれ、未来志向型の理想的なSDGsファクトリーとは何かという思いが集結した。
完成した思いをSDGsファクトリー構想へと進めるために、課題や問題点を抽出しSWOT分析による方向性を定め、スケジュールのみならず資金面や人材面で応援いただける企業を検討。工場建設には日本の民間企業のみならず、現地自治体や大手ゼネコン等との調整も視野に、F/S調査をサポートした(現在も継続中)。
工場建設による海外進出を想定している企業のみならず、国外の外注工場を活用している企業まで、誰もが参加できる「SDGsファクトリー構想」の実現を目指し、事業計画発表会を計画している。PR先企業の選定は、日本国内の中小企業支援機関に協力を要請している。
海外での「雇用を作る取り組み」は私自身、国策レベルと考えておりました。しかしこのケースのように小さい規模でも活動を続けている団体が存在すること、また世界がSDGsに関心を示したことで、我々コンサルタントにも応援できる場面があることを気づきました。
この取り組みは時間を要するかも知れませんが途上国の子供たちに将来幸せな職場を残すための取り組みとしては、我々にとっても大きな意味のある活動であると信じています。
担当 : 長谷川 雅彦