「募集情報」
前回のコラムで、取引上の規制について触れられなかった部分について述べさせてもらいます。
先日、愛知県在住の16歳の高校生がミャンマーで特殊詐欺に加担させられているとしたニュースが世間を震撼させました。
所謂「闇バイト」のひとつの形態であり、知らず知らずのうちに、またいとも簡単に特殊詐欺に加担してしまうというということに私自身も衝撃を受けました。
SNS等を通じて、募集している業者が適正か否かの判断はとても難しいと思います。
募集方法についていいますと、インターネットやX等のSNSを含む広告等により、フリーランスの募集に関する情報等(以下、「募集情報」といいます)を提供するときは、当該情報について虚偽の表示又は誤解を生じさせる表示をしてはならないとされています。
募集情報とは、①特定受託事業者の募集を行う者の氏名又は名称、②住所(所在地)、③連絡先、④業務の内容、⑤業務に従事する場所、⑥報酬をいいます。
これらを欠くものについては「誤解を生じさせる表示」に該当して、フリーランス法違反となります。
「フリーランス法における適正取引とは」
前回のコラムで書面等による取引条件の明示は触れましたが、その他、発注事業者には以下がの行為が義務付けられました。
①報酬支払期日の設定・期日内の支払(原則、発注した物品等を受け取った日から数えて60日以内のできる限り短い期間内で報酬の支払期日を設定、その期日内に報酬を支払うこと)、
②1か月以上の業務委託をする場合の禁止行為(例えば、発注した物品を受け取らない行為等)、
③育児介護等と業務の両立に対する配慮(妊娠、出産若しくは育児又は介護などと業務を両立できるよう、フリーランスの申出に応じて必要な配慮をしなければならない等)、
④ハラスメント対策に係る体制整備(ハラスメント行為によってフリーランスの就業環境が害されることがないような措置等)、
⑤中途解除等の事前予告・理由開示(業務委託を中途解除する場合や、更新しないこととする場合は、原則として30日前までに予告しなければならない)
があります。
「違反があれば」
フリーランスは、発注事業者に違反と思われる行為があった場合には、公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省に対して、その旨を申し出が可能です。
オンライン(後掲記載)による申出も可能です。
行政機関は、申出の内容に応じて、報告徴収・立入検査といった調査を行い、発注事業者に対して指導・助言のほか、勧告を行い、勧告に従わない場合には命令・公表をすることができます。
命令違反には50万円以下の罰金があります。
なお、発注事業者は、フリーランスが行政機関の窓口に申出をしたことを理由に、契約解除や今後の取引を行わないようにするといった不利益な取扱いをしてはなりません。
最後に、令和6年(2024年)11月1日から、フリーランスも、労災保険の特別加入の対象となり、任意加入した場合に、仕事中や通勤中のケガや病気等に対して、補償を受けることができるようになりましたことを付け加えておきます。
出典、参考資料
「ミャンマーで日本人の男子高校生2人保護 特殊詐欺に加担か」NHK
URL:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250218/k10014725751000.html
「フリーランスが安心して働ける環境づくりのための法律、2024年11月からスタート!」政府広報オンライン URL:https://www.gov-online.go.jp/article/202408/entry-6301.html#top
「フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ」厚生労働省
「フリーランス・事業者間取引適正化等法の違反被疑事実についての申出窓口」厚生労働省
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/freelance_moushide.html