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ホールディング経営におけるM&Aの活用投稿日 | 2022.12.20

 

●アライアンスとM&A

自社で保有していない経営資源を活用する方法として、アライアンス(企業連携)とM&Aがあります。

アライアンスは、経営権はそのままで、複数企業で協力することです。

業務提携や資本提携などがあります。

 

メリットとして、

・各企業の独立性を維持できる

・失敗した時のリスクが低い

 

などがあります。

 

一方のデメリット(留意点)として、

・技術ノウハウの流出するリスクが高い

・相乗効果の発揮が想定より低くなるリスクがある

 

などがあります。

 

そして、M&Aは、経営権の移転を伴う企業・事業の合併・買収のことです。

株式譲渡や事業譲渡があります。

 

メリットとして、

・技術ノウハウの流出するリスクが低い

・買い手企業が主導権を掌握できる

 

などがあります。

 

一方のデメリット(留意点)として、

・手続きに手間がかかる

・多額の費用がかかる

 

などがあります。

 

現在、M&Aをサポートする企業が増えるとともに、オンラインでやり取りできるプラットフォームも進化しており、デメリットは小さくなってきているといえます。

アライアンスとM&Aの特徴は異なるので、状況に応じて使い分けることが有効です。

 

●ホールディング経営におけるM&A

中小企業白書2021年版によると、経営者年齢別の後継者不在率は、

60代:48.2%

70代:38.6%

80代以上:31.8%

と、経営者年齢の高い企業でも後継者不在企業が一定割合存在しています。

現在、後継者不在の企業が増加しているため、事業承継においてM&Aの活用が増加しています。

 

M&Aによって時間を買うことができるともいえます。

自社内だけで新たな強みや新たな事業を創ること、人材を採用して育成することと比較すると、スピードアップすることができるからです。

また、将来も有望な企業であっても、後継者が不在であるために廃業・解散しなければならない企業も増えていることが憂慮されます。

貴重な経営資源が失われることになるからです。

そこで、自社だけの話ではなく、社会全体をより良くしていくためにも、世の中に必要な事業は継続してほしいです。

持株会社を活用した経営、すなわち「ホールディング経営」は、その解決策となります。

持株会社(ホールディングス)の組織形態にすることによって、M&Aによって譲受した企業をそのままの形態でグループの一員とすることができます。

 

事業会社は、M&Aによってグループ企業となることで、持株会社を含めたグループ内で保有する機能を活用できるようになり、グループ企業間で相乗効果を発揮することができればメリットが大きいです。

例えば、新たな販路開拓の機会を生むこともできます。

 

経営環境の変化を捉えて事業を継続していくために、M&Aも選択肢となります。

そこにおいて、ホールディング経営の形態は有効なものとなります。

 

中小企業診断士 高橋康友(筆者のプロフィールはコチラ)

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