「佐原さん。実は私・・・自社の決算書とか財務のこととか、ほとんどわからないのですが・・・」
こんなご相談を後継者や後継社長からよく頂きます。
簿記の勉強経験があったり、経理部門を務めたりした経験が無い、ほとんどの後継者がこのような悩みを持っていると思います。
しかし経営者たるもの、財務が苦手というのでは経営者失格です。
会社の経営活動の結果は、財務数値に帰結します。
財務や資金状況を掴んでいなければ、設備投資や人材投資など次の策が打てません。
それどころか、仕入先や従業員給与の支払い、借入返済などが滞ったりしたら、信用は失墜し、その回復には長い年月を要するでしょう。
手形不渡りなど、場合によっては再起不能な致命傷となる場合もあります。
では、財務が苦手な後継社長達はどのように財務管理スキルを身に付けるべきでしょうか?
財務分析の本を読みあさる?
財務分析のセミナーに出てみる?
手立てはいろいろとありますが、私がこれまで多くの後継社長と関わってきたなかで、最も早く、かつ自社の財務計数も同時に理解する方法がわかりました。
それは「自社の利益計画をつくること」です。
自社の利益計画をつくろうとしたら、まず自社の過去の決算分析を基にする必要があります。
さらに、利益計画をつくるにあたり、将来の売上や経費、資産や負債の動きを予測する必要があり、そのためには定性面である実際の会社の経営活動と、定量面である財務計数を連動させて考える必要に迫られます。
なかには、この経費はなぜ増えたか?減ったか?そんな疑問点が数多く湧き上がってくるでしょう。
その一つひとつを明らかにすることで、自社の財務計数が頭に入ってくるのです。
私が関わるクライアント企業では、実際に財務計数のお話しを後継社長としながら、目の前で一緒になって将来の利益計画を組み上げていきます。
私も会社の財務計数の全てを理解しているわけではないので、一緒になってその疑問点を調べつつ明らかにしていきます。
そのプロセスを経るなかで、多くの後継社長は財務計数の考え方や理解できることの喜び、計数管理の重要性を感じ取って頂けるのです。