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後継者が財務の勉強を始めるなら投稿日 | 2025.8.10

 

「佐原さん、財務のことをほとんど知らない自分が、これから後継者として必要な財務の知識を学んでいくにはどうしたらよいでしょうか? 」

 

時々、このような前向きな質問をしてくれる後継者さんがいらっしゃいます。

 

このような質問が投げかけられる場面というのは、佐原がその会社にコンサルに訪問し、会社の決算分析や月次試算表での実績管理などを行っている場に後継者さんが立ち会ってもらった後の時間であったりします。

 

おそらく社長と佐原が財務面の数字の話をしているときに、後継者さんは何の話をしているのかチンプンカンプンで、自分の財務スキルの未熟さを痛感しているからだと思うのです。

 

「ソンエキブンキテンがゲンカイリエキリツ向上により引き下がって???・・・」

 

「サイムショウカンネンスウを3年以内にするのが目標???・・・」

 

「タナオロシシサンカイテンキカンが65日に伸びた???・・・」

 

確かにこれまで営業分野や生産分野の管理に一筋できて、財務管理に携わったことがない若い後継者さんであれば無理もありません。

 

その言葉からして聞きなれないものが多いでしょう。

 

ですから、こうした財務管理を習得することの必要性を理解できた後継者さんから冒頭のような質問を少し恥ずかしそうな顔で聞いてくることが時々あるのです。

 

しかし、それは恥ずべきことではなく、大きな気づきでもあります。

 

もし独学で財務の初歩的な本を手に取ってみようと思ったらオススメは次の1冊です。

 

『 中小企業財務の見方超入門 』 久田友彦 著 銀行研修社

 

この本と佐原との出会いは、信金勤務1年生のときに自分の席に回覧とともに見本として回ってきたときのことです。

 

当時の自分は融資担当者として新規融資申込や継続融資の手続きなどを行っていました。

 

融資担当者であれば、融資取引企業の会社の決算書などの財務分析は必須です。

 

1年生でしたのでまずは簿記などから勉強を始めていましたが、どうも決算分析をするには遠回りのような気もしていました。

 

ところがこの本をペラペラッとめくってみたときが印象的でした。

 

まず・・・  字が大きい! 難しいことが書いていない!

 

そして・・・  図が大きくわかりやすい

 

ほかにも何度も読んだり、他の財務の本と読み比べるなかで次のようなことに気づきました。

 

他の財務の本は、税理士や公認会計士といった財務の専門家によって書かれたものが多く、内容が専門的でわかりやすいものが少ないのですが、この本は現役の銀行員によって書かれたものでした。

 

したがって、融資担当者1年生のわからないところに手が差し伸べられた内容と構成になっています。

 

また、銀行員の立場で書かれていますので、会計士や経理担当者向けの「決算書をどうつくるか」よりも、「決算書をどう読むか」という視点で書かれています。

 

そのため、「銀行員が自社の決算書をどのように読んで、どのように評価するか」という視点も同時に学べます。

 

中小企業の決算書の読み方に重点を置いていますので、粉飾決算や赤字決算、債務超過、資金繰り不足、といった中小企業ならではのリアルな財務のクセも理解できます。

 

まずはとっつきにくい財務管理に興味を持つことから始め、少しずつ理解を深めていければ良いと思います。

 

そのためのきっかけになる本になるのではと思いご紹介致しました。

 

企業アドバイザー 佐原啓泰(筆者のプロフィールはコチラ)

 

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