


「マンション関係法の大改正」
国土交通省は、2025年(令和7年)10月17日付で、マンション管理規約のひな型ともいえる「マンション標準管理規約(単棟型、団地型、複合用途型)」及び「マンション標準管理規約コメント」を改定、公開しました。
これは、2025年5月に成立した老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律(所謂、マンション関係法)や、それらに付随する制度改正を反映するものです。
「決議要件の緩和」
主な改正点としては、管理組合の「総会決議要件」の緩和と見直しが挙げられます。
通常の総会では、議決権総数の「過半数」による決議が可能となり、従来の「半数以上」から表現が統一されました。
また、バリアフリー化など共用部分の変更に関する決議では、これまでの「4分の3」から「3分の2」に緩和されました。
さらに、マンションの更新、売却、取り壊しなど「再生」を伴う決議についても、決議要件が「4分の3」から「5分の4」から「3分の4」に引き下げられています。
加えて、所在不明となった区分所有者を総会決議の対象から除外するための手続き、そして「国内管理人制度」の導入に対応した規定も新設されました。
「マンションが抱える老い」
この改正の背景には、建物の老朽化の進行や居住者の高齢化、そして今後増えるであろうマンションの再生ニーズがあります。
改正された標準管理規約を活用することで、各マンションでの管理規約もスムーズに見直せるようになります。
既存の管理規約をこの新版に合わせることで、今後の法改正適用漏れなどによるトラブルを防ぎ、管理組合の運営がより実効性あるものになると期待されています。
今回の改訂は、既にある管理規約を新法が優先される点もありますので、マンションにお住いの方は、管理規約を見直してみてはいかがでしょうか。
参考
「法務省 老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律について」
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00375.html
「国土交通省 令和7年マンション標準管理規約の改正について」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/mansionkiyaku.html#r7kiyaku