日本は、オリンピック開催前のこの時期になっても、コロナの影響は相変わらず続き、ワクチン接種の行程も、ようやく高齢者接種が7月末までに終わりそうな段階です。今回お伝えする「心理的安全性」の確保とは職場に限らず、国としても、問われる大きな課題です。
このような危機的状況であるときこそ、意見を交し合い、どのような方法であれば、最適な結果につながるかを話し合い、前向きな行動を増やしていくことが大切です。もちろん
国だけではなく、企業は生き残りをかけて、チャレンジし続ける必要があります。
そのチャレンジを引き出す職場に必要なものが、「心理的安全性」がある「場」です。
心理的安全性は、人々の心や行動、考え方に大きく影響し、長期的にみると生産性や創造性にも影響を及ぼします。「心理的安全性」が、効果的なチームにとって重要な要素であると分析したのが、「Google」です。
心理的安全なチームとは、チームのメンバー同士が、お互いの存在を尊重しあい、意見を心おきなく交わすことができ、時には議論しあい、生産的で前向きな仕事をすることに
集中できる職場のことです。
具体的には、①話しやすさ②助け合い③挑戦④新奇歓迎の4つの因子があるときに、心理的安全性が感じられるということです。
話しやすさとは、普段のコミュニケーションも大切ですが、会議の時に、それぞれのメンバーが率直な意見を言えるかどうか、上司と部下の関係であれば、仕事でわからないこと
を気軽に聞けることができるか、もしくは、何か問題が起きた時に、すぐに報告することができるか。助け合いとは、部下育成であっても、問題の対処であっても、チーム全体で自分事のようにお互いに助け合うことができるかどうか。挑戦とは、まず挑戦できる組織風土があるかどうか、そして失敗しても責めるのではなく、チームで改善に向けて協力しあえることができるかどうか。そして、挑戦したいと思えるマインドを、上司が部下のモチベーションしながら成長させることができるかどうか。新奇歓迎とは、自分にない才能や強みをもった人材を受け入れることができるか、そしてチーム1人1人の才能や強みを活かすことができる職場であるかどうかです。
日本の組織風土は、長年、減点主義の傾向が強く、「忖度」という言葉も話題になりましたが、自分を抑えて、組織のルールに従い、指示命令されたことを的確に実行するという風土が強かったように思います。
これからの時代は、「正解」のない時代へと変化します。チームでのディスカッションの時間がなければチャレンジすることはできません。
特に飲食業界や旅行業界などはコロナの影響によって、創造していく企業に変わらなければ倒産の危機へとつながっていきます。これからの未来を描く戦略を考えていく上でも、「心理的安全性」のある組織へと変化し、個々の力を引き出し生産性と創造性を高めることが必要です。私たちは、これからどう変わっていくのか、今、問われているのではないでしょうか。