事業戦略を遂行していくためには、企業が持つ機能をどのように高めて活用していくか、あるいは社内に不足する機能をどのようにして補うかといったことを検討し、具体化していくことが必要です。
製造業を例に考えてみます。
製造業の機能としては、製造だけでなく、営業、開発、調達、品質管理、広報、財務、組織・人事などといった機能を挙げることができます。
例えば、下請け型の中小製造業において、製造以外の機能が強化されていないと以下のようなことが起こります。
・営業:経営者によるトップセールスが主体となるが、経営者の製造業務への関与が高いと対外的な活動ができず、営業力が不足する。
・開発:社内に開発人員が不在で、製造技術開発や製品開発を元請け企業に依存している。
・調達:材料を元請けから支給を受ける場合もあるが、自社で材料を調達する場合に発注量が少ないと仕入価格が高くなる。
・品質管理:経営者やナンバー2が品質管理責任者を担うことが多く、他業務との兼任で抜本的な品質向上への取り組みが不足する。あるいは責任者が明確になっていない。
・広報:自社のホームページは開設しているが、内容の更新ができておらず、最新の情報を発信できていない。
・財務:要員計画や設備投資計画に基づき中長期の見通しを立てて、必要資金額を明確にして資金調達を検討したいが手が回っていない。
・人事:社員を計画的に教育したいが現場任せになっている。
などのようなことです。
社内の限られた人数でやり繰りし、経営者だけでなく多くの社員が業務を兼任している状況下で、さらに機能を強化するためにはどうすれば良いでしょうか。
外部にある資源の活用を一つの選択肢として挙げることができます。
その具体策として持株会社によるホールディング経営の活用があります。
ホールディングスのグループ企業の一員となることで、ホールディングスが保有する機能を活用することができるようになります。
具体的な事例として、由起ホールディングス様を挙げることができます。
由起ホールディングス様は、金属の精密加工を得意とする複数のものづくり企業のホールディングスです。
グループの一員となった企業は、由起ホールディングス様が保有する、資金調達、事業戦略、営業戦略・海外展開、人材採用、企画広報・デザイン、製品開発、製造技術開発、システム・ITといった機能を活用することができ、自社で不足する機能を補い、安定した魅力ある企業へと成長されています。
中小製造業の身近な事例としてご参考にしてください。