「補助金の合否にもよりますが、、、」
農地転用のご相談を受けました。ただ、それには条件付きで本チャプター題目のとおりです。
新規事業を展開するにあたり、所有する農地を活用し新規事業に必要な建築物を建てたい、しかし農地転用しなければ建築できない、とのロジックです。
この場合、新規事業はあくまでも計画ですし、補助金合否の関係から、農地転用許可申請のタイミングを検討しなければなりません。
そしてもう一つ、同地は18年前に農地転用許可を受けていました。
「農地転用許可の有効性」
行政庁から一度施行された許可処分はどうなるのでしょうか?
発行された許可書には、「条件を付してこれを許可します。」と記載されています。
その条件は「申請書に記載された事業計画に従って事業の用に供すること。許可に係る工事が完了するまでの間、本件許可の日から3箇月後及びその後1年ごとに工事の進捗状況報告を、また、許可に係わる工事が完了したときは、遅滞なく工事完了報告を、関係市町村農業員会に提出すること。」です。
更に、注意事項には、「申請書に記載された事業計画に従ってその事業の用に供しないときは、本許可を取り消し、条件を変更し、若しくは新たに条件を付し、又は工事その他の行為の停止を命じ、若しくは原状回復その他違反を是正するための必要な措置をとるべきことを命ずることがある。」とあります。
これは農地法第51条の規定そのままであります。
相談者は、何となくではありますが、本許可は失効しているものと理解している様子でした。
「何を確認すべきか」
当職からは、本件は①取消願と新規許可申請、②事業計画変更承認願のどちらかを選択することを説明しつつ、18年前の事業計画がとん挫した理由を確認しました。
理由は、当時の売上が落ち、急激に資金難へ陥った結果、予定した事業計画を実行できなかったということしかわからず、事情を知る当時の申請者(社長)は既に他界しており詳細は不明でした。
今回は(といっても、18年後なのですが、、、)、改めて新規事業を計画し、補助金を活用しつつ実行すべく予定しているとのこと。
土地の面積は限られていますから、そこへ建築予定の建物も自ずと規模は限られ、用途、規模共に、18年前と遜色がありません。
結果、「事業計画変更承認」という手段の下、手続は完了しました。
参考
「農林水産省 農地転用許可制度について」
https://www.maff.go.jp/j/nousin/noukei/totiriyo/nouchi_tenyo.html
「愛知県 農地の権利移動及び転用に関する許可申請書等様式」
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/nogyo-shinko/0000050038.html