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逆境での気付き投稿日 | 2021.11.28

 

①「スポーツ大会」

令和3年も残すところ1箇月をきりました。昨年、盛大に行われる筈でありました東京オリンピックは、COVID-19の影響を受けつつ十分とは言えないもののその役割を果たし、様々な業種においても大なり小なりその影響を受けたことと思われます。

オリンピックはメガスポーツ大会の雄でもありますから、社会的・経済的効果は絶大です。ところでスポーツ大会は、オリンピックのようなメガ大会のみではありません。各地で行われるマラソン大会等からもわかりますが、開催される地、フィールドに住む私たちにとり決して無縁ではないのです。

そこで、COVID-19の影響下であっても、スポーツをビジネスチャンスとして捉え、スポーツが果たす役割の一つである「スポーツ・ツーリズム」にスポットをあてた中小企業の事業展開を試みた例を紹介します。

 

②「スポーツ・ツーリズムとは」

「日本におけるスポーツ・ツーリズムの諸相」(同志社大学ヘルス&スポーツサイエンスジャーナル2009二宮浩彰)によれば、「スポーツ・ツーリズム」を「スポーツに参加もしくはプロスポーツや競技大会観戦、市民マラソンやカヌー、ダイビング等に参加・体験することを主たる目的とするもの」と定義しています。

また別分類としてツーリズム・スポーツも存在しますが、居住地域外への移動、休日の活動、非商業的といった「ツーリズム」の定義(同2009二宮)については両者共に変わりはありません。今回は前者の意味を踏まえた実施した事業を紹介します。

 

③「リソースは身近にある」

実施形態は、参加型であり観戦型とは対極に位置します。参加型ですから、丁度マラソン大会と同じような形態と言えばわかり易いと思いますが、どちらかというと「ゲーム」と呼ぶに相応しい大会形式です。

そのフィールドは地域を限定し、その特性をブラッシュアップしたスポット(ゲームでは「ディスカバリー・スポット」といいます。)を制限時間内に、徒歩又はランニングでまわり、そこで得られたスコアを競います。

用いる機器はスマホとアプリですから手軽に参加できます。注目すべきは、地域の特性・文化・歴史等を活用しリソース化すること、スマホやアプリを活用することでそこへ参画する事業者のメリットを一元化すること、マラソン大会のように身体を酷使することなく誰でも参加することができ、三密を回避でき、ヘルス・ツーリズムへとつながること等です。

以上の実施により、自治体や地域の各団体、観光、飲食、宿泊、小売店、IT事業者等を巻き込んだ協力体制が出現することにつながりました。

 

COVID-19は、従来の大会をことごとく中止へと追い込みました。しかし、こうした新たな大会の誕生を生むきっかけにもなりました。そこには、足元のリソースを再認識することが、明日への第一歩であると確信をしています。

【参考】フィールド・ディスカバリー・ゲーム https://fielddiscovery.or.jp/

 

行政書士 入山太郎(筆者のプロフィールはコチラ)

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