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BCPを策定する(2) BCP組織を編成する投稿日 | 2025.7.31

引続き、BCP(事業継続計画)策定のポイントをお伝えいたします。

今回は、BCP組織について取り上げます。

災害対策本部、初動対応班などの組織をご紹介します。

 

6.災害対策本部

災害などの緊急事態に直面したときには、状況に対して迅速にかつ適切に対応するために、非常時に特化した組織が必要です。

人命を守り、被害を最小限に食い止め、早期復旧を実現するために、迅速に意思決定して指揮命令を出せる組織が必要であり、それが災害対策本部です。

災害対策本部に必要な主な機能として、以下の内容が挙げられます。

 

①意思決定・指揮命令

②情報収集・情報発信

③事業継続・復旧活動の管理

④物資の調達

⑤資金の調達

 

経営者が対策本部長となりますが、経営者が不在の場合に代行する対策本部長代行も必要です。

 

BCP発動後のステップは、

ステップ1:初動対応

ステップ2:復旧活動

となります。

災害対策本部のもと、初動対応班を編成し、非常時に迅速かつ適切に行動できるように備えておくことが大事です。

 

一般的に、初動対応班として、安否確認班、消化班、救助班、施設対策班、システム対策班、在館者対応班、広報対応班を編成することになります。

 

ただし、中小企業の場合、上記のような初動対応班を編成しようとすると一人何役にもなってしまうなど、支障があったります。

そういう場合などは「BCP発動フロー」を作成するとよいです。

BCP発動フローとは、緊急事態発生時に事業継続を可能にするための手順を定めたものです。

基本的には、初動対応⇒復旧活動の順に進めます。

 

初動対応におけるBCP発動フローの例をご紹介します。

「災害発生~3時間」と「3時間~1日」に分けて行動内容を明確にしています。

 

①災害発生~3時間における行動内容

・避難計画に基づく避難

・二次災害発生防止

・災害対策本部の設置

・安否確認、点呼

・負傷者の救護

・非常電源への切り替え

・被害状況のチェック(施設、設備、システムなど)

・外部情報の収集(災害状況、インフラなど)

 

②3時間~1日における行動内容

・外部情報の情報収集

・設備メーカーへの連絡

・対外的な情報発信(顧客、協力先、地域住民、行政まど)

・帰宅希望の従業員への対応:食料・水の配給

・残留者への対応:宿泊準備、食料・水・毛布の配給

・緊急性の高い修繕への対応

・簡易トイレの設置

 

わが社に適した非常時に対応できる組織について考えてみましょう。

 

中小企業診断士 高橋康友(筆者のプロフィールはコチラ)

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