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BCPを策定する(3) 初動対応①投稿日 | 2025.10.20

 

前回に引続き、BCP(事業継続計画)策定のポイントをお伝えいたします。

今回は、初動対応について取り上げます。

 

BCP発動後のステップは、

ステップ1:初動対応

ステップ2:復旧活動

となります。

初動対応においては、災害対策本部のもと、初動対応班を編成して行動できるように備えておくことが望まれます。

 

初動対応については、以下の8項目を定めておくとよいです。

(1)従業員の安否確認

(2)避難ルール

(3)情報発信

(4)代替対応拠点の確保

(5)個人による安全確保

(6)情報収集

(7)負傷者の救助対応

(8)帰宅・残留対応

 

今回は、「(1)従業員の安否確認」から「(4)代替対応拠点の確保」までを具体的に確認していきます。

 

(1)従業員の安否確認

人命を守ることが最優先であり、安否確認方法を定めておくことが大事です。

①安否確認方法

電力会社などがサービスを提供している安否確認システムには便利なものがあります。

あるいは、日常的に使用している、携帯電話、携帯メール・ショートメールによって安否確認する方法としている企業もあります。

また、就業時間内と就業時間外とでは状況が異なりますので、それぞれの場合の安否確認方法を設定しておくとよいです。

 

②従業員への周知方法

いざというときに安否確認システムが使えないと意味がありませんので、普段からテストしておきます。

年に数回テストを実施している企業もあります。

 

③連絡が取れない場合の対応

「災害用伝言ダイヤル(171)を使用する」など非常手段も決めて周知しておきます。

 

(2)避難ルール

各拠点で避難ルールを定め、避難経路や避難場所などは掲示しておくとよいです。

以下の項目はルールとして定める必須項目です。

①避難誘導責任者

②避難指示方法

③顧客・来客の誘導方法

④避難経路

⑤避難場所(集合場所)

⑥近隣の避難所

⑦緊急持出品

 

(3)情報発信

自社の被害状況や復旧度合いを社外に対して、伝達すべき情報を必要なタイミングでそれぞれに伝達することも必要です。

顧客、協力企業、近隣住民、行政などの関係者をリストアップし、それぞれに対して提供が必要な情報を挙げます。

情報の項目として

①問合せ先

②安否確認状況

③被害状況

④現在の復旧状況

⑤今後の生産や業績への影響

⑥今後の生産や業績の復旧見通し

など、自社に必要な項目を挙げて情報発信します。

 

(4)代替対応拠点の確保

代替対応拠点を確保し、拠点における体制を整備しておくことも望まれます。

災害対策本部を設置する予定だった場所が被災してしまった場合の対策も必要です。

取引先と協定を結んで拠点を確保している企業もあります。

 

以上が、初動対応の「(1)従業員の安否確認」から「(4)代替対応拠点の確保」において検討していただきたい内容です。

 

中小企業診断士 高橋康友(筆者のプロフィールはコチラ)

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