本コラムで以前「伴走支援によるポジティブアプローチ」のタイトルでDXへの取組手法の紹介をいたしました。(投稿日 | 2022.5.10)
経済産業省が発表しております、「中堅・中小企業向け デジタルガバナンスコード実践の手引き」には、DXに向けたプロセスを以下のように説明しています。
このプロセスにおいて伴走支援で筆者が何を支援しているのか説明したいと思います。
1.意思決定:経営ビジョン・戦略策定
・トップダウンの意思決定
・企業のパーパスに基づく経営ビジョン・戦略策定
・DX推進チーム設置等、推進体制の整備
2.全体構想・意識改革:全社を巻き込んだ変革準備
・データ利用に向けた取組
・一部社員ではなく全社的な協力による成功事例の創出
・社内全体の活発化
3.本格推進:社内のデータ分析・活用
・データ分析の前提となる業務プロセスの見直し
・新たな価値を産むデータ活用/システム構築
4.DX拡大・実現:顧客接点やサプライチェーン全体への変革の展開
・顧客に新たな価値を提供
・大胆な投資・意思決定
「1.意思決定:経営ビジョン・戦略策定」のフェーズでは、筆者は支援先企業の強みを明らかにすべく傾聴を重視した対話形式の会合で企業経営者様が今まで気づいていなかった強みも含めて明らかにします。
そして現在の経営環境のもとで顧客提供価値がどのような強みを使って実現されているかの(価値創造)ストーリーを明らかにします。
そして、将来の環境変化において、新たな顧客提供価値を企業様と対話しながら発見します。
その新たな顧客提供価値を実現するにはどのような能力(新たな強み)が必要かを明らかにし、それが現在不足している場合、その獲得のためのアクションプランを検討します。
このアクションプランが経営戦略であり、その目指す姿が経営ビジョンとなります。
アクションプランにデジタル技術の活用がなされることがまさにDXとなるわけです。
「2.全体構想・意識改革:全社を巻き込んだ変革準備」のフェーズでは、筆者はアクションプラン実施の体制、期間、投資対効果などの検討を企業のキーマンを支援しながら行います。
全社への理解を得るための説明資料は重要です。
その作成支援を行います。
特にデジタル技術を導入したらどのようなストーリーで経営成果につながるのかを説明することがポイントになります。
「3.本格推進:社内のデータ分析・活用」フェーズでは、デジタル技術を活用する新たな業務プロセスの設計を企業様のプロジェクトメンバーを支援しながら行います。
そしてその業務プロセスを前提としたシステム要件を整理し、ITベンダーに構築依頼するためのRFP(※)作成の支援を行います。
RFPによるベンダー選定、契約へのアドバイスを行い、開発が開始されると企業様をベンダー側のコミュニケーションの齟齬が起きないよう意思疎通の支援を行います。
IT専門家のベンダーと専門家でない企業側のメンバーはコミュニケーションの齟齬は発生しやすいものです。
そして企業様で「4.DX拡大・実現:顧客接点やサプライチェーン全体への変革の展開」がなされることになります。
(※)RFP :Request For Proposal 提案依頼書