これまでこのコーナーで筆者はDX(デジタル・トランスフォーメーション)経営についてその重要性、進め方など解説してきました。
今回はDX経営実現のための取組みを始めようとしている、あるいは始めた企業の経営者の方々にとって、その推進力となる制度の紹介をしたいと思います。
DX経営実現のための取組みを行う上でも、自社の現状のレベルの把握と達成目標の把握が非常に重要です。
経産省は「DX推進指標」を定めました。
これは「経営のあり方、仕組みに関する指標」と「ITシステムの構築に関する指標」についてそれぞれ定性(35項目)、定量の指標により、自社の自己診断により、課題やそれを解決するために抑えるべき事項を明らかにできるようになっています。
https://www.meti.go.jp/press/2019/07/20190731003/20190731003.html
当該サイトからダウンロードできるEXCELフォーマットを使って自己診断を行い、それをIPA(情報処理推進機構)へ提出すると、ベンチマークのデータが提供され自社のレベルが他社と比較できるようになっています。
https://www.ipa.go.jp/ikc/info/dxpi.html
自社のレベルが把握できたら、まずは体制を整え、「DX認定」を受けましょう。
これは大企業、中小企業を問わず、DX経営への取組みの準備が整っていることを認定するもので、認定事業者一覧としてIPAのホームページで公開され、ロゴマークも利用が可能となるものです。
経産省では「DX認定制度」においてDX経営への取組み企業の段階を、初期段階から順に次の4段階を定めて「DX-Ready」のレベルにある事業者を「DX認定」するものです。
・DX-Ready以前のレベル
ビジョンの策定や、戦略・体制等の整備に、これから取り組む事業者。まず はDXの進捗状況をDX推進指標を用いて自己診断することにより自律 的に推進 自己診断結果はIPAにて収集し、ベンチマーク提供・政策立案へ活用
・DX-Readyレベル
ビジョンの策定や、戦略・体制の整備等を既に行い、ステー クホルダーとの対話を通じて、デジタル変革を進め、デジタル ガバナンスを向上していく準備が整っている事業者
・DX-Emergingレベル
認定事業者のうち、ステークホルダーとの対話(情報開示)を積極的に行っており、優れたプラクティスとなる(将 来性を評価できる)事業者
・DX-Excellentレベル
認定事業者のうち、ステークホルダーとの対話(情報開示)を積極的に行っており、優れたプラクティスとなるととも に、優れたデジタル活用実績も既に現れている事業者
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-nintei/dxnintei-point.pdf
2023年1月18日現在、全国で574社が認定を受けており、愛知県で28、岐阜県で5、三重県で5の事業社が認定を受けています。
まだまだ認定企業は少ないのが実態ですが、だからこそ中小企業は今がチャンスと言えます。
他社に先んじて取組むことで競争優位性をいち早く確保できるということは当然なことですが、市町村の商工会の範囲でいうと、初めての認定となる可能性が高いと言えます。
初めての認定ということで、自治体や商工会などの広報を通じて自社を広くPRすることが可能となります。
今がチャンスです。
ぜひ、「DX自己診断」、「DX認定」にチャレンジされることをお勧めします。
ご興味ある方は、支援ナビお問合せフォームhttps://cs-navi.or.jp/contact/などでご連絡ください。