幸せで満足のいく人生を送るために大切なことは何でしょうか?
現在では、ハーバード大学を筆頭に様々な大学や研究機関で「幸せ」は分析されています。
そのため、組織の中でも「幸福度」を高めるためにはどうしたらよいかという議論が交わされるようになり、幸せな職場づくりに取り組む企業も増えています。
幸せな職場づくりは、明日からすぐできるものではなく、短期的な欲求を満たす利益と長期的視点で得られる利益を一致させることが、最初の一歩です。
その行動の積み重ねが「幸福度」を上げていくのですが、どうしても人間はわかっていても、短期的な欲求だけに走りがちです。
人生の満足度には5つの要素が必要であると分析されています。
①仕事に仕事に情熱をもって取り組んでいる
②よい人間関係を築いている
③経済的に安定している
④心身共に健康で活き活きしている
⑤地域社会に貢献している
その中でも、特に幸せの影響力が強い要素が、仕事の満足度です。
私は、よく研修の中で受講生の皆さんに質問します。「月曜日の朝、会社に行く時、どのような気分ですか?」「ワクワクしますか?」それとも「嫌々ですか?」と。
もちろん、ワクワクしながら会社に向かえるようであれば理想的です。
しかし、ワクワクしながら月曜日の朝を迎える受講生は、1%ほど、もしくはゼロの時もあります。
ギャラップ社の幸福度調査では、仕事の幸福度が高い人は、そうでない人と比べて「自分は素晴らし人生を送っている」と思う割合が2倍も高いとされています。
もし、月曜日の朝が憂鬱であるのなら、平日は自分の人生ではなく、週末のために生きているようなものです。
人生100年時代、セカンドキャリアも視野に自分のキャリアを構築していく時代に、「仕事に熱意を持つ」ということは、とても重要な課題です。
そして月曜の朝、まるで戦場に向かうかのようなストレスを抱えていては、心身にも影響を与えます。
行動科学の研究では、職場で一番楽しくないと感じる時間は「自分の上司といる時間」と分析されています。
ただし、詳しく調べていくと仕事に熱意を失う危険性が高いのは「自分の上司は、部下である自分にまったく関心をもっていない」と感じている人でした。
逆に上司が「部下の強みに意識を向けている」人である場合、そのチームで職場に不満を持つ人の割合は1%まで下がります。
この分析結果からも、月曜の朝の幸せのマネジメントは、上司の影響力が強いのです。
もちろん、仕事の内容が不満という要素もあると思いますが、自分の強みを活かして仕事をしている人は、弱みに意識を向けて仕事をしている人に比べて、仕事に熱意を感じている割合は6倍、人生を楽しんでいる割合は3倍という結果がでています。
上司の影響力によって、職場の幸福度は変わります。
そしてトップマネジメントを担う方々の考え方で、組織の幸福度は変わります。
「仕事」は、人生において幸せを運ぶ大切な要素です。
仕事を失って、人は仕事がいかに自分にとって大切だったのかを気づくこともあるでしょう。
是非、長期的な視野で、「仕事」を幸せな時間へと変換させて下さい。