


ブランディングとは、企業や商品・サービスが「どのように見られたいか」という理想のイメージを定め、そのイメージを顧客の頭の中に一貫して定着させるための戦略的な活動全般を指します。
マーケティングが売るための仕組づくりだとすれば、ブランディングは選ばれ続けるための土台づくりです。
ブランディングの戦略は(ブランド戦略)は、経営戦略・マーケティング戦略・コミュニケーション戦略の3つから成り立っていますが、いまだに、ブランドは表面的な「イメージ」をよくするものだとしか理解していない人によく出会います。
しかし、企業も人も強いブランドを持つことによって、顧客に選択され、ステークホルダーに対しても強い影響力を発揮できる可能性も高まります。
ブランディングが重要になった背景には、インターネットやSNSで、どの商品もすぐに比較できるようになり、機能や価格だけなら、似たような選択肢がいくつも並ぶようになりました。
この「情報過多」の中で選ばれるには、「このブランドだから買う」という判断が必要になり、そこには、ストーリーや世界観、価値観など「感情的な価値」で差別化するブランディングが企業の生存戦略として重視されるようになっているのです。また、多くの市場が成熟し、「新規顧客の刈り取り」が難しくなり、既存顧客との長期的な関係やロイヤルティを育てることが求められ、その土台としてブランドが重視されていきたこともあります。
また、さらに最近では、環境配慮や社会貢献など、企業のスタンスや姿勢で商品を選ぶ人も増えています。「このブランドの考え方に共感できるか」が選択基準となり、企業理念やビジョンを一貫して伝えるブランでキングが重視されるようになっています。
ブランドは、顧客の頭の中でできる「選ぶ理由」ですから、一方的な押しつけでも、見た目だけを整えることではありません。
顧客がどう感じるかが大事です。
アップルの創業者のスティーブ・ジョブスは、「人はそれを見せられるまで、自分は何が欲しいかわからない」と語っています。
大切なのは、顧客が口にする言葉をそのまま受け取るものではなく、まだ本人さえ気づいていない、「心の声」を読み取ることだと言っているのです。
アップルは機能で売ろうとしたのではなく、「1000曲をポケットに」というコピーで、「いつでも好きな音楽を持ち歩ける生活」というイメージをアピールしました。
「機能を売る」のではなく「体験を売る」という思想、つまり顧客の生活をどう変えられるかを徹底的に考え、その未来の体験を提示する「体験哲学」をブランディングしたのです。
商品売りだけでなく、お客様にどのような体験価値を与えることができるのか、企業も人も顧客に対して、どのような衝撃的な出会いを体験してもらうことができるのか。
まさにブランディングの再構築の時代だといえるのではないでしょうか。