スタンフォード大学心理学教授の著書「マインドセット」が日本で出版されたのは2016年。
20年にわたる調査で、科学的に実証された人生を変える最強のメンタルの作り方。
今では「マインドセット」という言葉はあたり前のように使われるようになりました。
「マインドセット」は個人においても組織においても、どちらにも有効な考え方の1つだといえるでしょう。
以前にもマインドセットについてコラムで執筆しましたが、2025年に入り、さらに加速する時代の変化において、もう一度、マインドセットについて取り上げようと思いました。
20世紀の組織のガバナンスも、フジテレビや日産自動車にみられるように従来思考のままでは、保つことができなくなっています。
組織においては、経営者層の考え方にしっかりとした未来へのビジョンがなければこれからの時代は、あっという間に市場から淘汰される時代となるでしょう。
しっかりと利益を上げながらも、エンゲージメントを高め、未来に向けてイノベーションを繰り返す。
そして「しくみ化」を考えながら最適化をし、メタ認知力で俯瞰をしながら世界情勢を見極める。
とても難しい選択を、何度も何度もトライ&エラーをしながら続けていかなければならない。
前年踏襲という言葉は死語になるのかもしれません。
個人においても、経営者層と同様に、キャリア戦略を考える時代になるでしょう。
スイスに本拠地を持つ人材サービス企業のアデコが2016年に日本で実施したキャリアに関する調査によると、「将来的なキャリアプランを描いていますか?」という質問に対して、男性の49.1%、女性の42.5%が「特に考えていない」と回答しています。
2025年になって、キャリ戦略を考える20代、30代は増えているはずですが、40代、50代のキャリア戦略は「中高年の危機」ともいわれるように、明確なプランを描いている人は少ないように感じます。
また、人材サービス企業のパーソル総研が2024年に行った調査によると、「業務時間以外で、「将来のために何らかの勉強をしていますか?」という質問に対して、回答者の56.1%が「全くしていない」と答えています。
この数字が示すのは、未来を考える力を放棄しているとも言えます。
ただなんとなくと考えている方は、これからの日本の状況をみると、どんどん居場所がなくなっていきます。
自分の「OS」が古いのであれば、再起動をかけてバージョンアップすることが大切です。
ただ、自分の「OS」が古くなっていることに気づかないという方もいらっしゃるでしょう。
是非、一度、自分のキャリアの棚卸をしてみてください。
「しなやかなマインドセット=growth mindset」。人間の基本的資質は努力次第で伸ばすことができるという信念。
性別や年齢の壁を言い訳にせず、「才能は磨けば伸びる」を実行に移しましょう。