「ウチの会社、問題が次々と起こって困っているんですが・・・」
会社を引継いで数か月程の後継社長からこんな声をよく聞かされます。
どのような問題が起こっているか詳しく訊いてみると・・・
・従業員が退職したいと言ってきている
・人員が足らず店舗オペレーションが回せない
・設備の老朽化により生産や販売に支障が出ている
・近隣に競合店の出店が予定されている
・管理者が思うように動いてくれない
・災害で店舗や設備が破損した
などなど・・・
原因は様々ではありますが、その後継社長のお話しを伺うと、次々と災難ばかりが降りかかってきている印象でした。
ただ、こうした一見すると災難のようにも思える諸問題が起こり得るのが会社経営とも言えます。
勿論、煩わしい問題は起こらないのが望ましいことは言うまでもありませんが、多くの設備や人を抱え、お客様を含めて社外の多くの人や組織と関わり、日々の営業を回していくことで、諸問題は日々起きてきます。
後継社長の心情からすると「なんで自分が社長業を継いだタイミングで、こんなに問題が起こるのだろう?・・・」と思われる方も多くいらっしゃいます。
しかし視点を変えると、これまでに先代社長が上手に処理してくれていた諸問題が、社長という立場になって初めて見えるようになった、という見方もできます。
ほかに、先代社長は諸問題が大きくなる前に事前に早めの対処をしていたのかもしれません。
それが、後継社長に代わったことから、そうした事前対処のスピードが遅れ、事後対策的になってしまっているために問題が大きく見える可能性もあるでしょう。
いずれにしても、後継社長はこうした会社経営に降りかかってくる諸問題を上手に処理し、降りかかる火の粉を振り払っていかねばなりません。
こうした、問題を解決していくなかで立派な社長に成長していくのです。
ただし、会社に起こる諸問題の解決方法としては、後継社長が一人だけで頭を悩め、解決策の実行に動いていては体がいくつ有っても足りません。
そこで必要になるのが、社長の右腕役です。
先代社長には、その補佐をする古参番頭のような右腕幹部が居たのではないでしょうか。
まずは、そうした方に敬意を払いつつ補佐をお願いするのも一案ですが、一方で古参番頭が後継社長の新たな方針に従うことができずに軋轢が生じることも多々あります。
したがって中長期的には、後継社長が信頼できる社内の右腕役を、時間をかけてでも育てていくことが重要です。
場合によっては、社外から「この人こそ。」と思える人を説得して、入社してもらうことも有り得るでしょう。
また、引継いだばかりの会社経営は、はじめのうちは降りかかる諸問題との戦いであったりもしますが、段階的に想定できる問題を先回りして事前対策を打っていきたいものです。
そうすることで、問題が大きくなる前に対処ができていくことになります。