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コンサルタントを選ぶという難問投稿日 | 2022.11.30

 

目まぐるしい環境変化の中で中小企業経営者は毎日がジャッジの連続です。

 

「社長!これどうしましょう?」「社長!こうしてください!」「社長!いつやります?」

 

毎日恐ろしい言葉が平然と耳に飛び込んできます。

 

DX、CN、SDGs、これまでの経験値では計り知れない事柄が多く、「そんな事言われても僕には分からないよ!」「誰か~教えて!」「助けて~!」と叫びたい心境です。

 

そんな時の救世主「ザ・コンサルタント!!」ですが、果たして上手く見つかるのでしょうか?

 

名古屋市内で自動車部品製造業(売上5億・従業員20名)を営む2代目経営者の山下さん65歳は、誰かに相談したいことがあっても、どこから手を付けたら良いのか分からずモンモンとしています。

「コンサル費用っていくらかかるの?」「本当に効果があるの?」など、不安も尽きません。当然ですね!

 

山下社長にとって、最適なコンサルタントを見つけ出すことは至難の業です。

そこでコンサルタントを選定せざるを得ないときにどのようなポイントに重点をおいたらよいのか?

私が山下社長にアドバイスしながら解説していきます。

 

ポイントその1    まず何を頼みたいのか頭の中を整理してください。

①作業の代行を依頼したいのか

これは専門業者選びに似ています。

ゴールがはっきりしていて、「早く・安く・正確に」対応してくれる相手を探すことになります。

例えば人材募集であれば広告系企業、広報であればホームページ業者、行政手続き系であれば、行政書士、司法書士、社会保険労務士など、その道のプロがそれに当たります。

今回、山下社長は早期離職問題を解決するため、働き方改革に応じた社内規則や報酬制度を整えようとその道に強い社会保険労務士を探すことに落ち着きました。

 

②専門知識の提供を求めたいのか

ここからハードルが上がります。

一般知識か業界知識か特別な経験者知識なのか。

また知識提供だけの切り売りなのか。

知識プラス作業を頼みたいのかでケースが異なってきます。

山下社長に確認したところ数年前に信金セミナーで「事業承継の手続き」について聞いたことがあり、そろそろ考えようとしていました。

そこで自社にとっての手続きを理解するためその道に精通している社会保険労務士を探すことに落ち着きました。

 

③自社を変革する手伝いを依頼したいのか

ここからさらにハードルが上がります。

というのは山下社長本人がコンサルに何を依頼するのかが整理できていないためです。

ただ今のままでは将来が心配なことは自覚しています。

また業歴の長い会社ほど過去の踏襲で現在があるため未来志向が薄れています。

そこで未来を一緒に考えてくれる中小企業診断士を探すことに落ち着きました。

 

ポイントその2  選ぶ基準

①資格や専門分野から判断する

文字通り保有する資格です。

弁護士、弁理士、税理士、中小企業診断士、MBA、その他IT関連資格など、専門分野を限定して資格取得者から絞り込みます。

 

②執筆や経歴から判断をする

どのような本を書いているか。

資格に関わらずどんな専門分野について深い造詣があるかを知るためには分かりやすい判断基準です。

その他学歴や過去の職歴から判断できる内容も多いものです。

 

③会社規模から判断する

コンサルティング・ファームに所属している人なのか、それとも一人で自営業としてやっているのか。

大きなコンサルティング・ファームには、有能なコンサルタントが所属していると言えます。

しかし山下社長の会社では不釣り合いと判断し小規模を選択しました。

 

④値段で判断する

高いか安いかと言われれば誰しも安い方がお得感があります。

ただし判断基準は「費用対効果」の問題です。

投資以上の成果を上げるのがプロの経営コンサルタントです。

値段が「高い・安い」の差は何かと言えば、課題解決への投入時間の差です。

まれに基本料金は安く成功報酬が高い場合もあります。

山下社長には、コンサルティング・フィは「けちらない」「値切らない」をお勧めしました。

 

⑤実績で判断する

専門分野の実績が解る資料がある場合は安心感が生まれます。

特に同業者へのコンサル実績や改善実例が豊富なコンサルタントは一定レベル以上といってもよいでしょう。

ただ時々コンサル実績が成功実績とは限らないケースもありますので鵜呑みにしないようにしてください。

 

⑥口コミから判断する

結局ここへ落ち着きます。

昨今いろんな情報が簡単に入手できますが最後の最後は信頼できる方からの紹介が一番ですね。

では信頼できる方とは誰でしょう?

例えば経営者仲間、顧問税理士、取引金融機関、商工会議所などの公的支援機関、などご本人の周りには大勢の応援団が存在しています。

ぜひいろいろな方のお知恵や経験を拝借してはいかがでしょう。

優秀なコンサルタントは、広告なしで紹介の連鎖でクライアントと巡り会っています。

つまりは信頼の連鎖によって成り立っている業界と言えます。

 

いかがでしたか?情報過多の時代でのコンサルタント選びの考え方でした。

ところで、山下社長のコンサルタント選びの結末はと言いますと、結局私が紹介することになってしまいました!これで良かったのでしょうか? ではまた。

 

中小企業診断士 長谷川雅彦(筆者のプロフィールはコチラ)

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