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コロナ禍後の企業経営の在り方投稿日 | 2021.02.27

 

 

①2020年とはどんな年だったのか

 

2020年、新型コロナウィルスによる世の中の不確実性と、リモートワークに代表されるデジタル化の急速な進展の2つが大きく影響を与える年になりました。対面営業、接客、リアルな集合イベント等、人と人との接触を事実上遮断した新型コロナウィルスは、それを打破するための社会や産業のデジタル化を大きく後押ししました。既得権益、従来型のライフスタイル、デジタルディバイト等を少しずつ乗り越えながら、5年・10年かけて徐々に進行するはずだった未来が、よりくっきりとイメージできるようになりました。新型コロナウィルスと同様、デジタル化の進展は目に見えない部分で進行し、身近な街の様子や自然も変わったように見えませんが、確実に社会の在り方を根底から変えつつあります。

 

 

②不確実”ということだけが確実な時代に

 

新型コロナウィルス問題が起きる前から、世界の先行きは不透明さを増していました。“100年に1度”を言われるような危機(2000年代初期のITバブル崩壊、2008年 リーマンショック、2011年 東日本大震災、2020年 新型コロナウィルス)は、約10年に1度程度起きるようになりました。またデジタル革命の進展とグローバライゼーションによって、そのインパクトは即時的かつグローバルなスケールになっています。つまり、今回新型コロナウィルスが強いた“変化”は一時的なものではなく、またすぐ次に新しい変化を強いるような“危機”が待ち構えているのです。そして、“危機”はいつか終わるのですが、同時に人々の価値観を変え、生活様式を変え、消費行動を変えるようなイノベーションも必ず起こります。故に、これからの時代は、将来にわたってずっと“不確実”ということが確実な時代であり、“危機”と“イノベーション”が交互に繰り返される、そんな時代にあるといえます。

 

 

③今こそ“未来”を描くとき

 

不確実な時代、将来を予想できないから、変化に対して場当たり的な対処をするしかないのでしょうか?そうではありません。不透明な未来だからこそ、手探りでも変革を志し、新たな挑戦をすることで、来るべき変化に対応することができるようになるのです。「コロナの感染者数が増えたから、とりあえず在宅勤務に戻そう。」といった対症療法では、新たな価値を生み出すことはできません。考えるべきなのは、事業戦略を現在の事業の延長線上に立案するのではなく、「実現したい未来」「その未来における自社のあるべき姿」「その未来における自社の果たす使命」を起点にストーリーを描くというアプローチです。そのストーリーには、「こうなったらたくさんの人が喜ぶ、わくわくするだろうな」という姿を描き、そこに至る道程を示します。最初からすべてを見通すことはもちろんできませんが、重要な局面をある程度想定しておくことはできるはずです。逆に、細部まで完璧に練られたストーリーの完成を待っていては、いつまでたっても動くことはできず、「昨日と同じ今日」が続くことになります。大切なのは、ある程度のストーリーが出来上がったらとにかく動き始め、市場の反応やトレンドの変化を察知し、柔軟に軌道修正していくことなので  す。

 

中小企業診断士 森竜也(筆者のプロフィールはコチラ)

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