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定款の事業目的とSDGs投稿日 | 2021.8.19

「新規事業のきっかけ」

時代が令和に変わるとともに、株式会社、合同会社、NPO法人(特定非営利活動法人)一般社団法人の各種法人の設立、定款や規則等の変更依頼を受ける機会が多くなりました。新年度に特に感じることですが、どうやら我が国の人々のマインドの中には、新年度に新しいことを始めることが組込まれているようです。

それはさておき、現時点(2021年8月15日)でも、新たなる脅威は手を緩めることなく、私達へ様々なそして多種多様な課題を持ち掛けています。その課題への対応策の一つとして、前回のコラムでは「押印廃止」についてご紹介しました。今回は課題解決へ受身的に事業を行うのではなく、能動的に事業を展開する中「SDGs」に取組む場合、見落としがちな「定款の目的」についてご紹介します。尚、SDGsへの取組や重要性については、当法人の各先生のコラムをご参照いただければ幸いです。

 

「忘れられた定款の存在」

ご存じの通り、定款作成及び認証は会社設立の際は必須です(会社法26条、31条)。この定款は会社の根本規則であり一般的には「会社の憲法」と言われ、これを基に会社は日々の事業活動を行うことになります。

設立時の定款は「原始定款」といい公証人の認証があることは勿論ですが、認証を受けた公証役場にも保管されています。尚、保管期間は20年(公証人法施行規則27条1項1号)とされ、一定の手数料を納付することで謄本の交付請求が可能です。何故、保管のことを持ち出したのかといえば、実務家としてクライアントから聞いた声に、

「定款を見たことがない」

「どこの公証役場で認証したか知らない」

「そもそも公証役場へ行ったことがない」等があったからです。

確かに、会社設立を専門家へ依頼すると、公証役場へ行ったことはないと思いますが、流石に「見たことがない」との声には驚かされました。

定款は、新規事業を手掛ける際に再登場するわけですが、定款変更が必要にも関わらず、実態が先走ることも少なくありません。その理由は、定款変更を行う場合、原則的に株主総会で特別決議を経る必要がある(会社法466条、309条)ことにも起因するのでしょう。しかし、行政官庁や銀行等の第三者から、定款の提出を要請されたときに、即時提出が出来ないと、取引先への不信感を招くことにもなるでしょう。従って、新規事業の計画時にはその内容と現行定款との差異を確認することが必要であると言うことができます。

嘘のような本当の話として「株主が誰なのかわからない」という声もあります。そうした事態に陥らないよう、一年に一度は定款を含めた法的側面の見直しは必要ではないでしょうか。

 

「定款とSDGs」

今話題のSDGsへの取組も同様です。例えば、生物学を根拠として、栄養豊富な「藻類」を用い食品を販売する(株)ユーグレナ(本社:東京都港区)は、今年の8月、定款の目的にSDGsを反映した内容を盛り込むとして全面刷新しました。同社は、SDGsの全17項目を取入れることで、自社のフィロソフィーである「サステナビリティ・ファースト」を法的側面でも整備し、このことは後々大変有意義なものと評価されることでしょう。同社の例は極端すぎるかもしれませんが、今後SDGsを導入すると事業を計画する場合、自社で行っている事業と照合し、定款を見直すプロセスは、決して無駄なことではないと思います。

それは、会社の姿勢としてサステナビリティと同時にコンプライアンスも意識しているものとして評価されることになるでしょう。

 

中小企業診断士 入山太郎(筆者のプロフィールはコチラ)

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