「若い世代は時代に一番繊細である、この時代に足りないものに気づいている」
いつの時代も若い世代が次の時代を創り上げていきます。
GAFAの創業者たちが企業した平均年齢は24歳。
(Facebookの)マーク・ザッカバークは19歳。(Googleの)ラリー・ペイジは25歳。(Appleの)スティーブ・ジョブズが21歳。(Amazonの)ジェフ・ベゾスは31歳。
今、ビジネスの世界を牛耳っているGAFAというプラットホーム企業を若者が創り上げました。
しかし、牛耳られている日本の多くの企業の経営者層というのが、50代~60代。
年齢だけの要因というわけではありませんが、明らかに失われた30年の間、日本は新陳代謝ができなかったともいえます。
そして会社の価値、企業価値を上げていくことがなかなかできませんでした。
日本では未だに、20代はひよっ子、30代で一人立ち、40代で中堅リーダー、50代で会社を代表とするリーダーということですが、世界ではもうこの構図は完全に崩れ去っています。
「人的資本経営」という言葉が、ようやく浸透し始め、「人材育成が課題だ」「若手の育成が経営上の大きな課題だ」「少子高齢化にむけていかに人事戦略を変えていくか」というような言葉が経営者層からもでるようになりましたが、組織は未だに、「ヒエラルキー」で、「メンバーシップ型」からの脱却がなかなかできないのが現状です。
ではアメリカのように「ジョブ型」にシフトできるかというと、採用の大半は新卒一括採用のまま。
大学生からインターシップを通じて、専門性を高める学びや、アルバイトの仕方ができるチャンスがあるかというと、それも難しく、企業もその扉を開けてはいません。
例えば、大学時代に「Googleでプログラミング学んで、1億の売り上げてみる」というような考え方は大学も企業もまだできていないでしょう。
そして専門性を磨いても「ジョブ型」にできる人事制度も整っていません。「ジョブ型」への転換も難しいのです。
ただ、時代はさらに加速し、20代の優秀な人財は、働き方に「自立型」を求めるようになっています。
「自立型」とは組織に属しながらも、「自営業者」という位置づけで働く働き方です。
自ら考えたルールに従いながら組織の中で成果をだしていくことで、内面的にも外面的にも独り立ちできている状態です。
まさに個人と組織のアライアンスとも言えます。
今、迎え入れる組織の考え方と、20代の働き方にギャップが本当に大きくなりつつあります。
何故、若者が時代に足りないものに気づけるかというと、経験の影響を受けることが少なく、生まれもった能力に左右される知能、「流動性知能」が高いからです。
この知能は25歳くらいにピークに達します。
だからこそ、既存に捕らわれない新しいビジネスやサービスを立ち上げることができるのです。
そのあとはこの知能はどんどん下がっていき、そこから支える知能は「結晶性知能」です。
「結晶性知能」は経験や学習などから獲得していくため、年齢を重ねれば重ねるほど経験学習だけではなく、どんどん新しいことを学んでいく必要があるのです。
結晶性知能は新しいものを創り出すことよりも人間性を高める役割が大きいとも言えます。
この知能の特性を見れば、まさに「20代の力」は宝です。
そのためには、組織が20代や30代に裁量権を渡せる度量が大切に思えてなりません。